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眠れる森の美女のお城のモデルは?

結論から申し上げると、「眠れる森の美女」のお城のモデルは主に2つあります。1つ目は、原作者シャルル・ペローがこの物語を執筆したフランスの「ユッセ城」で、もう1つはウォルト・ディズニーがディズニーランド建設時に参考にしたドイツの「ノイシュヴァンシュタイン城」です。 ユッセ城は物語そのものの舞台となったお城であり、ノイシュヴァンシュタイン城は世界各地のディズニーパークにある「眠れる森の美女の城」の建築的なモデルとなっています。

ディズニー映画で馴染み深い美しいお城の物語ですが、その背景には実在する壮麗な城々の存在があります。今回は、この魅力的な物語に登場するお城のモデルについて、詳しく探ってみましょう。

目次

物語の原点:フランスのユッセ城

シャルル・ペローが物語を紡いだ聖地

フランスのアンドル=エ=ロワール県、レニ・ユッセに位置するユッセ城は、「眠れる森の美女」の物語が生まれた記念すべき場所です。17世紀の詩人シャルル・ペロー(1628-1703)は、このユッセ城に魅せられて『眠れる森の美女』を執筆したと言われています。

ユッセ城は世界遺産「シュリー=シュル=ロワールとシャロンヌ間のロワール渓谷」に含まれる歴史的建造物で、11世紀に最初の城塞が建設され、1485年から1535年にかけて現在の美しい姿に生まれ変わりました。

物語にぴったりの理想的な立地

ユッセ城の最大の魅力は、その立地にあります。お城の周りにはロワール川とアンドル川という2つの河川が流れ、背後には深いシノンの森が広がっています。この自然豊かな環境は、まさに「眠れる森の美女」の物語設定そのものです。

森で動物たちと暮らしていたオーロラ姫(ブライア・ローズ)の生活や、魔法にかけられた城の神秘的な雰囲気にぴったりの環境が、ユッセ城の周辺には今でも保たれています。

城内で再現される物語の世界

現在のユッセ城は、ブラカス伯爵の私邸となっていますが、一般見学が可能です。城内では、ペローの物語をもとに、登場人物の蝋人形がシーンを再現し、訪れる者をおとぎ話の世界へ誘います。

お姫様の誕生、魔女の呪い、糸車、眠る城など、物語の有名なシーンが忠実に再現されており、16世紀の調度品なども展示されているため、当時の様子を垣間見ることができます。城内にはオーロラ姫が目を覚ましたシーンも再現されており、小さな一室は油断すると通り過ぎてしまうほど、城内の奥深くに隠されています。

ディズニーパークのモデル:ドイツのノイシュヴァンシュタイン城

「新白鳥城」の美しい姿

ドイツ南部、オーストリア国境近くに位置するノイシュヴァンシュタイン城は、カリフォルニア州アナハイムにあるディズニーランドの「眠れる森の美女の城」の主要なモデルとなったお城です。

「ノイシュヴァンシュタイン」は「新白鳥城」を意味し、白い壁と青い屋根が特徴的な美しい外観を持っています。この城は1869年にバイエルン王国の第4代国王ルートヴィヒ2世の命で着工されました。

19世紀に建てられた「中世風」の城

興味深いことに、ノイシュヴァンシュタイン城は中世の城のような外観を持ちながら、実際には今から約150年前の19世紀に建設された比較的新しいお城です。ルートヴィヒ2世のロマンチックな趣味を詰め込んで作られた城で、当時最新の技術が駆使されていました。

セントラルヒーティング、水道、お湯、水洗トイレ、電話、食事を運ぶためのエレベーターなど、19世紀の話とは思えないほど贅沢な設備が整っていました。しかし、ルートヴィヒ2世は建築中に他界したため、1階と2階は未完成のまま公開されています。

ディズニーとの深い関係

ノイシュヴァンシュタイン城は、確かに東京ディズニーランドのシンデレラ城にも似ている部分がありますが、ディズニーランドの公式情報によると、特にカリフォルニアの「眠れる森の美女の城」のモデルとして大きな影響を与えています。

この城の美しい尖塔のデザインや全体的なシルエットは、世界各地のディズニーパークにある「眠れる森の美女の城」に受け継がれています。

世界のディズニーパークに広がる眠れる森の美女の城

カリフォルニア・ディズニーランドの原点

1955年にオープンしたカリフォルニア州アナハイムのディズニーランドには、世界最古のディズニー城である「眠れる森の美女の城」があります。興味深いことに、この城は映画『眠れる森の美女』(1959年公開)よりも4年早く建設されており、ウォルト・ディズニーの「遊園地の中にお城を作る」という革新的なアイデアの産物でした。

パリの眠れる森の美女の城

ディズニーランド・パリの「眠れる森の美女の城」は、アナハイム版と基本的なデザインは同じですが、独自の特徴も持っています。このパリ版の城は、ノイシュヴァンシュタイン城だけでなく、フランスのノルマンディー地方を代表する観光地「モン・サン・ミッシェル」の修道院にもインスパイアされて作られています。

パリ版の城のステンドグラスは、パリのノートルダム大聖堂の修復に携わっていた「ピーター・チャップマン」によって監修されており、本物志向の美しさを追求しています。

内部アトラクションの魅力

パリとカリフォルニアの眠れる森の美女の城では、内部にウォークスルー型のアトラクションが設置されています。「眠れる森の美女ギャラリー」では、ディズニー映画「眠れる森の美女」の各シーンを再現したステンドグラスとタペストリーが展示されており、地下部分の「ドラゴンの洞窟」では、マレフィセントが変身した巨大なドラゴンが時々目を覚まして動く仕掛けが楽しめます。

まとめ

「眠れる森の美女」のお城のモデルは、物語の誕生と視覚的な表現という2つの側面から理解することができます。フランスのユッセ城は、シャルル・ペローが実際にこの物語を執筆した歴史的な聖地であり、物語そのものの原点となっています。一方、ドイツのノイシュヴァンシュタイン城は、ウォルト・ディズニーが視覚的なインスピレーションを得た建築的なモデルとして、世界各地のディズニーパークの城に影響を与えています。

どちらの城も、それぞれ異なる魅力を持ちながら、「眠れる森の美女」という不朽の物語を支える重要な要素となっています。ユッセ城では物語が生まれた当時の雰囲気を感じることができ、ノイシュヴァンシュタイン城では童話のような美しさを実際に目にすることができます。

これらの実在する美しい城々があったからこそ、「眠れる森の美女」は単なる空想の物語を超えて、多くの人々の心に深く刻まれる作品となったのでしょう。機会があれば、ぜひこれらの城を実際に訪れて、物語の魔法を肌で感じてみてください。きっと、オーロラ姫の世界がより身近に感じられることでしょう。

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