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おおかみこどもの雨と雪のお父さんの名前は?!声優、死因などどんな人か気になったので調べてみた!

細田守監督の名作「おおかみこどもの雨と雪」で、物語の序盤に登場し、その存在が作品全体に大きな影響を与える「お父さん」。彼は花と恋に落ち、雪と雨の父親となりますが、早々に亡くなってしまいます。多くの視聴者が気になるのが、彼の名前や死因、そしてその人物像です。

お父さんについての答え:

  • 名前:「おおかみおとこ」が名前(作中では「彼」と呼ばれ、本名は明かされていない)
  • 声優:大沢たかお
  • 死因:明確には描かれていないが、狩りの最中の事故死と推測される
  • 人物像:穏やかで優しく、家族を愛する最後のニホンオオカミの末裔

それでは、謎多き「お父さん」について、詳しく見ていきましょう。

目次

1. お父さんの名前と人物像の謎

名前が明かされない理由

「おおかみこどもの雨と雪」で最も印象的なのが、主要人物であるはずのお父さんに名前がないことです。作中では「彼」「おおかみおとこ」「お父さん」と呼ばれるだけで、最後まで本名は明かされません。

運転免許証が映るシーンでは、名前の部分が意図的に潰されており、読み取ることができません。ただし、生年月日は昭和54年(1979年)2月12日と判読でき、苗字は「伊賀」のように見えるという説もあります。免許証番号の最初の2桁「50」から、富山県で免許を取得したことがわかります。

細田守監督は、金曜ロードショーの公式Twitterで、名前がない理由について説明しています。「既存の”オオカミ男”のワイルドでセクシーなイメージよりも、やさしくて柔らかくてどこかかわいらしい人物像になるように」という意図から、ひらがなの「おおかみおとこ」という言葉自体が彼の名前を表しているのだそうです。

また、監督は講演会で「本当にキャラの名前は最初にちゃんと決めておいた方がいい。名前を決めずに『おおかみおとこ』のままで企画を進めていったら、最終的にしっくり来る名前が思いつかなかった」とも語っています。これは制作過程での正直な告白であり、結果的に「名前のない存在」という特別性を生み出しました。

花にとって彼は、名前で呼ぶ必要のないほど唯一無二の「THE・彼」だったのです。この演出により、お父さんは個人名を超えた、象徴的な存在になったといえるでしょう。

ニホンオオカミの末裔という正体

お父さんは、100年前に絶滅したとされるニホンオオカミの末裔です。彼が生まれるまでは、彼の父親が最後のおおかみおとこでした。父親からは、自分たちの正体を他人に知られてはならないと教えられていたそうです。

両親を亡くした後、人間の親戚に引き取られ、苦労しながら大人になった彼。そのため、彼はほとんど人間として生きてきたと考えられます。田舎で育ち、大人になって都会に出てきましたが、花に出会うまでは人目を避けるように暮らしていました。

穏やかで優しい性格ですが、妊娠中の花のために自ら雉を狩ってくるなど、野性味溢れる一面も見せます。好物は花に教えてもらった焼き鳥。運送ドライバーとして働きながら、大学の講義に潜り込んで勉強する向学心も持ち合わせていました。

花の大学で出会った彼は、最初は教科書も持たずに講義を聴いていました。花が追いかけて「教科書、忘れたんですか?」と声をかけたところ、「俺、ここの学生じゃないから。……迷惑なら、もう来ない」と答えます。しかし花は「迷惑じゃないです」と返し、これが二人の恋の始まりとなりました。

家族への深い愛情

彼が花に自分の正体を明かしたのは、二人の関係が深まってからのことでした。ある雨の夜、彼はおおかみの姿に変身して花に真実を見せます。驚いて逃げ出した花でしたが、雨に打たれる彼の姿を見て、彼の孤独と苦悩を理解しました。

「怖くないの?」と問う彼に、花は「全然」と答え、彼を受け入れます。この無条件の愛と受容が、二人の強い絆を築きました。

やがて花は雪を、そして雨を妊娠します。おおかみこどもの出産は病院ではできないため、花は自宅で一人で出産する決意をします。彼は不安そうな花に寄り添い、支え続けました。

父親となった彼は、家族を養うために懸命に働きました。雪が生まれた時の喜び、雨が生まれた時の安堵。短い期間でしたが、4人で過ごした日々は、かけがえのない幸せな時間でした。

2. お父さんの死因と声優・大沢たかおの演技

謎に包まれた死因

お父さんの死は、作品の中で最も謎に包まれた出来事の一つです。雨が生まれて間もないある雨の日、彼は突然姿を消します。玄関には彼が買ってきた食料品の入った袋と財布だけが残されていました。

花が彼を探すと、川の水路におおかみの姿で横たわっている彼を発見します。その周りには鳥の羽が散らばっており、彼が狩りをしていたことが示唆されていました。しかし、具体的な死因は明示されません。

映画では、雪のナレーションで「赤ん坊のために狩りをする本能が働いたのかもしれませんし、産後すぐの母に滋養のあるものを食べさせたかったのかもしれません」と語られるだけです。

考えられる死因としては、いくつかの説があります。

川での転落死説が最も有力です。狩りの現場が川の近くだったこと、遺体が水路で発見されたこと、鳥の羽が散らばっていたことから、川辺で鳥を追っていた際に足を滑らせて転落し、溺死した可能性が高いと考えられます。おおかみの姿での狩りに慣れていなかった彼が、不慣れな動きで事故に遭った可能性もあります。

ハンター説も一部で囁かれましたが、街中での出来事であり、ハンターが猟銃を使用できる場所ではないため、この説は否定的です。

また、寿命説もあります。おおかみの寿命は10〜15年と人間より短いため、人間とおおかみの混血である彼の寿命も短かった可能性があります。しかし、まだ若く健康そうだった彼の様子から、これも考えにくいでしょう。

結局のところ、彼の死因は「制作側の都合による事故死」という見方が妥当かもしれません。物語に深みを持たせ、花の成長を描くために、彼には早期に退場してもらう必要があったのです。

ゴミ収集車で回収された衝撃

お父さんの死で多くの視聴者が衝撃を受けたのが、おおかみの姿で発見された彼の遺体がゴミ収集車で回収されていくシーンです。花は泣き崩れながらも、収集車を止めることができませんでした。

なぜ花は止めなかったのでしょうか。おおかみは「特定動物」に指定されており、飼育には都道府県知事や政令市の長の許可が必要です。花が遺体を取り戻そうとすれば、彼がおおかみおとこであったこと、雪と雨がおおかみこどもであることが明るみに出てしまいます。

動物の死骸は「一般廃棄物」として処理されるため、回収員はおおかみと気づいていなかった可能性もあります。もし「私のペット」と言えば遺体を取り戻せたかもしれませんが、花は咄嗟に判断できなかったのでしょう。

また、おおかみの姿で亡くなった彼を人間社会に晒したくないという花の思いもあったかもしれません。彼が最後までおおかみとして自由であったことを尊重したいという、花なりの愛情表現だったとも解釈できます。

大沢たかおの温かな声の演技

お父さん役の声を担当したのは、俳優の大沢たかおです。『JIN-仁-』『世界の中心で、愛をさけぶ』『キングダム』など、数々の映画やドラマで活躍する実力派俳優です。

本作が初めてのアニメ作品での声優挑戦となった大沢たかおですが、その温かく包容力のある声は、お父さんのキャラクターに完璧にマッチしていました。吹き替え経験は、2005年の映画『皇帝ペンギン』で父ペンギン役を担当したことがある程度でした。

大沢たかおは、アフレコについて「普段の自分の仕事に近い感じがしました。声だけ演じているのに、こんなにドキドキするんだとか、ハラハラするんだとか、こんな熱くなるんだとか、こんなに離れるのが切ないんだとか、それまでは思わなかったんですよ。そういう気持ちが湧いてきてすごくいとおしい現場でした」と語っています。

また、「短い期間しか花を愛せないから、短い時間に人の何倍も何倍も愛したいというのはシンプルに思っていたし、それが自分の役目だと思っていました」とも述べており、役への深い理解が伺えます。

共演した宮崎あおいについては「横で声を聞いてすてきな花が飛び出してきたようでした。シンプルに『守りたい。守れなくても見守っていたい』と思える、魅力ある、表現力のある方だと思いました」と絶賛しています。

本作のアフレコは、通常のアニメとは異なり、一人ずつ別々に録るのではなく、“一家”で揃って声を録っていくという方法が採られました。この現場での気持ちのやり取りが、家族の温かさを表現する上で重要だったのです。

細田守監督は、二人のキャスティングについて「この映画の企画を3年続けてきましたが、二人の声を聞いて、花とおおかみおとこはこういう声をしていたんだ、3年目にしてようやく本物に出会えたと感動しました」と語っています。

大沢たかおの柔らかく、それでいて力強い声は、お父さんの穏やかな性格と、家族を守ろうとする強い意志の両方を見事に表現していました。出番は少ないながらも、その存在感は作品全体に深い余韻を残しています。

3. まとめ

「おおかみこどもの雨と雪」のお父さんは、名前すら明かされない謎多き存在でありながら、作品の核となる重要なキャラクターです。「おおかみおとこ」という言葉自体が彼の名前であり、花にとっては唯一無二の「彼」でした。

ニホンオオカミの末裔として、人間社会で密かに暮らしてきた彼は、花と出会い、初めて自分の正体を受け入れてくれる相手を見つけました。雪と雨という二人の子どもに恵まれ、短い期間ながらも幸せな家族の時間を過ごします。

しかし、産後の花のために狩りに出た彼は、不慮の事故で命を落としてしまいます。具体的な死因は明かされませんが、おそらく川での転落事故と推測されます。おおかみの姿で発見された彼の遺体がゴミ収集車で回収されていくシーンは、多くの視聴者に衝撃を与えました。

声を担当した大沢たかおの温かく包容力のある演技は、お父さんの人物像を見事に表現していました。初めてのアニメ声優挑戦ながら、その自然で心に響く声は、作品に深い感動を与えています。

お父さんの名前や死因があえて明確にされていないのは、物語に深みを持たせるための演出です。観る人それぞれが想像し、考えることで、作品はより豊かな意味を持つようになります。

彼の不在が、花の成長と、雪と雨の自立の物語を生み出しました。短い登場シーンながらも、彼の愛情は作品全体に満ちており、最後まで家族を見守り続けているかのようです。

「おおかみこどもの雨と雪」を観るとき、お父さんの温かな存在を感じながら、家族の絆と愛の深さについて考えてみてはいかがでしょうか。名前のない彼だからこそ、すべての父親の姿を象徴する存在として、私たちの心に深く刻まれるのかもしれません。

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