細田守監督の感動作「おおかみこどもの雨と雪」。人間とおおかみの二つの顔を持つ子どもたちの成長を描いたこの作品には、深い個性を持つキャラクターたちが登場します。それぞれの性格や行動パターンをMBTI(16の性格タイプ)で分析すると、キャラクターの深層心理や成長の軌跡がより鮮明に理解できます。
主要キャラクターのMBTI予想:
- 花(母親):ISFJ(擁護者型)
- 雪:ESFP(エンターテイナー型)
- 雨:INFP(仲介者型)
- おおかみおとこ(彼):ISFP(冒険家型)
それでは、各キャラクターの性格タイプを詳しく分析していきましょう。
1. 母・花と父のMBTI分析から見える家族の絆
花 – ISFJ(擁護者型)の献身的な母性
主人公である花は、典型的なISFJ型の特徴を持っています。ISFJは「擁護者」とも呼ばれ、責任感が非常に強く、他者への献身を惜しまないタイプです。忠実で信頼できる性格であり、伝統や安定を重視する傾向があります。
花の行動を見ると、ISFJ的特徴が顕著に表れています。夫である「おおかみおとこ」を亡くした後も、二人の「おおかみこども」を育てるという困難な状況で決して諦めることなく、子どもたちのために全力を尽くします。都会での子育てに限界を感じると、田舎への移住を決断し、慣れない農業に挑戦します。
ISFJの特徴である「具体的で実践的」という点も花の性格に当てはまります。彼女は常に現実的な問題解決に取り組み、子どもたちの「人間かおおかみか」という選択を尊重するため、両方の可能性を残せる環境を整えようと努力します。花の名前の由来である「花のように笑顔を絶やさない」という信念も、ISFJの「周囲との調和を大切にする」特性を表しています。
また、ISFJは変化や新しい状況に適応するのに時間がかかる傾向がありますが、花も最初は田舎の生活に苦労しながらも、韮崎のおじいちゃんをはじめとする近所の人々との関係を徐々に築いていきます。自己主張が苦手でありながらも、子どもたちのためには必死に努力する姿は、まさにISFJ型の母親像といえるでしょう。
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おおかみおとこ(彼)- ISFP(冒険家型)の自由な魂
花の夫である「おおかみおとこ」は、ISFP型の特徴を持っています。ISFPは「冒険家」と呼ばれ、自由を愛し、現在を生きる柔軟な性格です。感受性が豊かで、芸術的センスを持ち、他者の感情に敏感で共感力が高いのが特徴です。
作中では名前すら明かされない「彼」ですが、それは花にとって「THE・彼」と呼べるほど特別で唯一無二の存在だったからです。大学の講義に潜って学ぶ姿勢は、ISFPの「自由を愛し、型にはまらない」性格を表しています。おおかみという正体を隠しながらも、花との愛を貫く姿は、ISFPの「真摯で誠実な対人関係」を体現しています。
ISFPは長期的な計画を立てるのが苦手で、批判や対立を避ける傾向がありますが、家族のために働き、子どもたちを愛する彼の姿からは、責任感と献身性も感じられます。突然の死という結末は悲劇的ですが、自分らしく生きた彼の人生は、ISFP型の美的センスと自由な精神を象徴しているといえるでしょう。
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2. 対照的な姉弟・雪と雨の性格タイプ
雪 – ESFP(エンターテイナー型)から社会適応へ
姉の雪は、幼少期にはESFP型の特徴を強く示していました。ESFPは「エンターテイナー」と呼ばれ、社交的でエネルギッシュ、新しい経験を楽しむタイプです。優れたコミュニケーション能力を持ち、適応力が高く、新しい環境にも馴染みやすいのが特徴です。
幼い頃の雪は、お転婆で活発な性格で、野生動物を追いかけ回したり、アオダイショウを腕に巻き付けたりと、まさにESFPの「冒険心と好奇心」を体現していました。しかし、小学校生活の中で、自分のような野性味あふれる女子がいないことに気づき、淑やかに振る舞うようになります。
この変化は、ESFPの持つ「適応力の高さ」と「周囲の期待に応えようとする」特性を表しています。草平という転校生に獣臭いと指摘され、思わずおおかみの姿で彼を傷つけてしまった経験は、雪にとって大きな転機となりました。この出来事を通じて、雪は人間として生きることを選択します。
ESFPは長期的な計画を立てるのが苦手で、深刻な問題を避ける傾向がありますが、雪は草平との関係を通じて、自分の秘密と向き合い、最終的には彼に「おおかみこども」であることを告白します。この成長は、ESFPが困難を乗り越えて成熟していく過程を示しています。中学では寮生活を選び、友達とバドミントンを楽しむ様子からは、人間社会で充実した生活を送る雪の姿が想像できます。
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雨 – INFP(仲介者型)の内面的成長
弟の雨は、INFP型の特徴を持っています。INFPは「仲介者」とも呼ばれ、理想主義的で深い価値観を持つタイプです。優れた言語能力と創造力、深い洞察力と人間理解を持ちながらも、内向的で感受性が豊かという特徴があります。
幼少期の雨は、ひ弱で臆病な性格でした。これはINFPの「内向的で慎重」な側面を表しています。絵本の中でおおかみが悪者扱いされていることに傷つく雨に、花は「おおかみはかっこいい」と励まします。この感受性の豊かさは、まさにINFP型の特徴です。
雨の転機となったのは、ある冬の日に川で溺れかけた経験と、シンリンオオカミやキツネの「先生」との出会いでした。INFPは「自分の内面世界を大切にし、自己発見の旅を続ける」タイプですが、雨もまた山で過ごす時間を通じて、自分の本当の居場所を見つけていきます。
小学校には馴染めず、むしろ自然の中で生きることに魅力を感じた雨は、最終的におおかみとして生きることを選択します。姉の雪と「人間かおおかみか」で激しく対立する場面では、INFPの「自分の価値観を譲らない」強さが表れています。批判に敏感で傷つきやすいINFPですが、雨は自分の信念を貫き通しました。
最終的に、雨は母の制止を振り切って山へ向かい、キツネの先生の後を継いで山の守り手となります。わずか10歳という若さでの決断は、人間の基準では早すぎますが、おおかみとしては立派な大人です。INFPは現実世界での実践に困難を感じることがありますが、雨は自分の理想を山での生活という形で実現させたのです。
人生の巣立ちの時、あなたは誰を想いますか…?
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子どもを育てている人…
子育てに悩んでいる人…
親はどんな気持ちで自分を育てたんだろうと思う人…
かつて子どもだった人…←あ、全員ですぅ🐰💕
「おおかみこどもの雨と雪」
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姉弟の対比が示す多様な生き方
雪と雨の対照的な選択は、ESFPとINFPという異なる性格タイプの特徴をよく表しています。外向的で社交的な雪は人間社会に適応し、内向的で理想主義的な雨は自然の中に居場所を見つけました。二人とも正しい選択をしたのであり、どちらが優れているということではありません。
この姉弟の物語は、MBTI的に見ると、それぞれの性格タイプが自分らしい道を見つけていく過程として理解できます。ESFPは人との繋がりの中で輝き、INFPは自分の内なる声に従って生きることで真の幸福を見つけます。花がどちらの選択も受け入れた姿は、ISFJ型の「他者を受容し支える」特性の最高の表現といえるでしょう。
3. まとめ
「おおかみこどもの雨と雪」の登場人物たちをMBTI分析することで、それぞれのキャラクターの行動原理や成長の軌跡がより深く理解できます。花のISFJ型は献身的な母親像を、おおかみおとこのISFP型は自由で真摯な父親像を体現しています。
姉の雪はESFP型として社交性と適応力を活かして人間社会で生きる道を選び、弟の雨はINFP型として内面の声に従っておおかみとしての生活を選択しました。この対照的な選択は、どちらも正しく、それぞれの性格タイプに合った生き方だったといえます。
MBTIはあくまで一つの分析ツールに過ぎませんが、キャラクターの行動パターンや価値観を理解する手助けとなります。「おおかみこどもの雨と雪」が描いたのは、単なる成長物語ではなく、異なる性格を持つ個人がそれぞれの道を見つけ、親がそれを受け入れる普遍的なテーマでした。
この作品を通じて、私たちは多様な生き方を尊重することの大切さを学びます。雪のように社会に適応する生き方も、雨のように自分の信念を貫く生き方も、どちらも素晴らしいのです。そして花のように、愛する者たちの選択を無条件で受け入れる姿勢こそが、真の愛情なのかもしれません。
あなたが「おおかみこどもの雨と雪」を観るときは、ぜひこのMBTI分析を思い出してみてください。キャラクターたちの行動や選択が、より深く心に響くことでしょう。そして、自分自身や周りの人々の性格タイプを考えることで、互いの違いを理解し、尊重し合える関係を築くヒントが見つかるかもしれません。


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